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「…いいもんだ。
こうなったら無理やり連れて行くだけだよ。」
菊が小さい声で恐ろしいことを言う。
どういうことだよ。それ。
って聞こうとする前に俺の体は菊に担がれてしまっていた。
「下ろせ!てめぇ!ふざけんなっ!」
「さっき亮介に一緒に車で学校まで送ってもらうように頼んでおいたから。」
「…」
ここまで来たら菊は誰も止められない。
そのまま亮介のマネージャーが運転する車に無理矢理押し込まれた。
車窓から入ってくる太陽の光が俺の体を蝕む。
「可愛い子いるといいなぁ。」
俺の腕を相変わらずがっちり掴んだまま菊がはしゃぐ。
菊のテンションとは逆に俺のテンションはがた落ちだというのに。
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