2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
広大な広間。そこに玉座が一つ。腰掛けて座る女がいた。しかし、その後方に牢が有り、別の女が閉じ込められていた。
高級な調度品と魔術の道具がならぶ不気味な広間。そしてその部屋がある建物は魔王の城と呼ばれていた。
牢の扉がガタガタと揺れる。
「出して。ここから出して。」
玉座がクククと笑う。
「それは出来ない相談だ。この城は貴女がいないと機能しないのだから、姫。」
「何をするつもりなの。マナの流れをせき止めたら、草も花も枯れてしまうわ。大地は崩れ、光は失われるのよ。」
「何もかにもない。貴女にはそこでじっとしていてもらうだけなのだから」
女は玉座を睨みつけた。
この城の玉座に座るのは王ではなくいわば、魔王。そして姫は牢の中なのだった。
しかし、その時扉が開いた。
最初のコメントを投稿しよう!