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「悪い皆、待たせたみたいだな。」
担任が教室から出ていくのとすれ違うように四人は教室の中へ入ってきた。
「弘弥。最後の化学は大丈夫だったか?俺が教えた所以外もあったが…」
勉強を教えた責任と不安からか?登史が問いかけてきた。
「大丈夫大丈夫!!ばっちりだよ。」
俺は社交辞令のように答えた。悪い点でも悪いのは俺の頭だからな。登史に文句言ったって仕方ない。
「つーか弘弥大事な事って何ー?おれこの後彼女とデートあんだけど。」
「あぁ。すぐ終わらすよ。」
紀一が髪をいじりながらボヤく。それを微妙な目で尚が見る。…前から気づいてはいるが尚は紀一がどうも苦手らしい。
「簡潔に話してくれよ。俺も部活あるからさ。」
「俺はこの後何も無いから、相談事なら弘弥が大丈夫な時間までしてくれてよいよ。」
泰典と尚は隣と前の椅子に座って言った。
早く帰りたい紀一は教卓にもたれかかり話を待っている。
登史は斜め前の席に座り、すでに話が何かを知っているからか無言で話が終わるのを待っているように見えた。
「実はな…俺は復讐を考えているんだ。」
「復讐ー?なんのぉ?」
紀一がかったるそーに髪を指に絡ませながら言う。
「実は俺昨日唇を奪われたんだよ。この教室でこの席で。」
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