773人が本棚に入れています
本棚に追加
「誰に?」
尚と泰典が声のトーンは若干違うがハモって言った。
言うならば尚は疑問系、泰典は驚きって感じだ。
「うっそ!!マジで!?誰々?そいつに復讐すんの?」
活舌悪いくせに喋りな紀一…興味津々に聞いてくるなー。いつもは少しウザく感じるけどこういう時は話を早く進めさせてくれるから楽だなぁ。
「つーかこのガッコって事は男?だよなぁ?すっげーなぁ!!弘弥モテモテじゃん!!あ!!それ俺だよー!!なんつって♪」
……前・言・撤・回!!
うぜぇー!!やっぱこの絡みはウザい!!冗談でも犯人は自分だとか言うなー!!
嘘でもイラつく位だから。
とは言えないから飲み込む。
まぁこれで紀一は犯人ではないな。
いやしかし…裏をかくとかいう可能性も…
「なぁなぁ!!それとフルーツオレがなんの関係あんのー?早く教えろよー?」
「黙れ紀一。うるさい。お前が喋るから弘弥が喋れないのがわからんのか阿呆。」
「うわっ!!…こわっ!!俺その登史の口調苦手ー。だから黙っとく。」
「黙るなら黙るなんて言わなくていいだろうが。」
登史が後ろを振り返りギロリと紀一を睨む。
紀一はその視線を持ち前の無神経で跳ね返す。
尚と泰典が顔を見合わせて困った顔。
その後ろはカエルを睨む蛇と蛇に睨まれているのを無視するカエルと言った構図だろうか?
「あのー…俺話してよい?てか話すよ?」
声をかけると、とりあえず皆こっちを向いた。
「俺は昨日の放課後、眠かったからここで寝てたんだよ。そしたら足音がして…それで目が覚めて。そしたら唇からほんのりフルーツオレみたいな匂いがしたんだよ。俺はまずイチゴオレ派だからあり得ないし、何より最近フルーツ系飲料すら飲んでない。俺は後ろ姿すら見ていないんだ。だから犯人はフルーツオレとしかわからなくて。で…とりあえずは周りから調査をしようかと。」
「…なる程。」
尚が口に手を当てながら呟いた。
紀一は「ふーん」と鼻をならした位。
泰典はまだ考えている。
「弘弥。ちょっとした質問あるんだけどいいかな?」
尚が椅子に浅く腰をかけ直して聞いてきた。
興味あるのか?普段は無口なのに…
「ん?何?」
「復讐ってさ…何するの?」
何?……そこまで考えてなかったー!!って…言えない言えない。
最初のコメントを投稿しよう!