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「尚。弘弥に聞いても無駄だと思うぞ。こいつは単細胞的思考だからな。後先の事は考えていないはずだ。」
いやー!!登史ご名答!!
なんて言うか毒舌野郎!!
しかし…俺の思考回路をよくわかってらっしゃるねぇ。
「とりあえず殴るんだろー弘弥ぁ?」
「そう!!殴る!!」
よーし……!!今は紀一のツッコミという名の助け舟に乗っておこう。
まぁ殴るよ
うん。ムカつくから。
「俺、同じ部活で弘弥と教室同じ奴や弘弥の事知ってる奴にカマかけてみるよ。多分可能性としては一番高いはずだから…」
「ありがとう泰典。お前ってほんとーにいい奴だな…!!」
「ひでー!!俺らだっていい奴じゃんかよー。なぁ登史、尚!!」
「いい奴?当たり前の事だろうが。」
「俺は人脈あまり無いから…観察位しか無理だけど…」
「いやいや。俺はこうして話を聞いてくれただけでも十分だよ。紀一、早く彼女の所へ行ってこい。待たしたら悪いだろ?」
「おー!!言われなくても行くべー?じゃーなぁー!!」
紀一は言いながら教室を後にした。
言いながらなんて…時間ギリギリだったのか?悪い事したなぁ。
「俺も部活行ってくるよ。早く聞いた方がいいだろうし。」
「泰典もありがと。聞くのよりも部活優先してくれよな。」
「わかってるよ。じゃあな。」
泰典もゆっくり教室を後にする。
「で…俺も去った方がいいのかな?」
尚…何故疑問系?まぁ優柔不断ではあるからな。あまり留めさせても悪いし…
「尚も帰って勉強しなきゃまずいだろ?俺と成績似たようなもんだし。」
嫌味混じりに言ったら尚はすこしムッとした表情で「そうだね。だから帰るよ。バイバイ」と言い、椅子から立ち上がり早足で去る。
「二度も奪われたりすんなよー!!」
尚はドアを閉めながらこっちを向いて言い捨てた。
うーん…一番疑わしいのはやはり尚か。
「で、どうなんだ弘弥の見解は?」
今まで空気と同化してたのかと思う位に存在感を消していた登史がまっすぐ俺の方を見て呟いた。
「んー…わっかんねぇ…尚が一番怪しいと思うんだけど…後輩とかの可能性もあるからなんとも言えない。」
「だろうな。とりあえず俺は図書室でパソコンいじってくるよ。ちょっと知りたい事があるから。」
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