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一樹は由崇に背を向け、靴を履きながら呟いた。
履き終え立ち上がった一樹の頭が由崇の視界を遮った瞬間、一樹が由崇の方へ振り返った。
同時に由崇の口に暖かいモノが触れた。
近すぎる目の前には二重の丸い一樹の瞳…
「由崇…お前を悩ませてやるよ。」
玄関を開け夕陽に照らされる一樹の顔は悪戯好きな子供のような表情をして「じゃあな!!」と言い、放心している由崇を一人残して帰った。
「…んな事しなくても、だいぶ前からお前の気持ちバレバレだったっつーの。」
やっぱり自分には受け身は合わないな、と考えながら由崇は玄関の鍵を締め自室に戻ったのだった。
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