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「和斗さんは…結婚とかしないんですか?」
探るように聞くと和斗さんの表情が変わった。
「結婚…ですか。だいぶ昔は考えてましたよ。結婚してもいいなって人。その人がある日僕の子供を妊娠したから責任とれって言ってきたんですが、僕は先天的な無精子症なんで子供は絶対出来ないんですよ。…つまりその人が二股してたってわけです。それ以来女性不信になってしまったので女性との結婚は無いですね。」
淡々と話す声とは逆に表情はとても苦々しく見えた。
俺のバカ…何聞いてんだよ。んで和斗さんもなんでそんなに平気に話すんだよ…
「じゃあ…和斗さんはこれからずっと…一人でいるつもりなんですか?」
「涼貴がいるじゃないですか。」
「へ?」
生涯独身を貫くのか?という意味のつもりで質問をしたのに、返ってきた答えがあまりにも突拍子すぎて俺の口から間抜けな声が漏れた。
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