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「ふーん…そうなんだ。…!!だから俺最近食欲あるんだ!!施設は全部白いライトだったから。」
仰向けで眠れない俺は、和斗さんのほうに顔を向けるように横向きになり、足を軽く曲げる。
…背中向けるのってなんか気まずいし。
薄明かりで見る和斗さんの目元が緩むように見えた。
「白いライトよりオレンジのほうが電気代が高いんですよ。もう少し予算が増えるか、オレンジの電気が安くなれば施設も食事の場位はオレンジのライトになるかもしれないね。」
そう言って和斗さんはゆっくり目を閉じる。
俺も「そうですね」と相槌を打って目を閉じた。
セミダブルのベッドの端と端。
真ん中の隙間は人一人ギリギリ入れるか入れないかの微妙な空間。
この微妙な空間に戸惑ったけど、そんな思考は泣き疲れた頭と体に持っていかれた。
やがて現実と夢がごっちゃになってきて頭の中は次第に暗くなり、いつの間にか意識は遮断されていた。
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