窓際の放課後(not短編)

3/32
前へ
/81ページ
次へ
放課後の教室というのは何故こんなにも眠気を誘うのだろう? 日誌を書き終えて職員室に持って行った後、明日の期末テストに備えて勉強をしようと教室に戻ったんだけど…眠い!!   眩しい位に夕陽が窓から差し込んできているのに、この目は眠気を覚まそうとはしない。  あーヤバい…このままじゃ明日のテストまでヤバい。   頭じゃわかってんのに…って、その頭が現実と夢をごちゃ混ぜにしだしたからもう無理か。 しゃーない。寝てやる。もう。   警備員来たら帰ればいいや……           ガラガラ…       バタバタバタッ         ……………? あー…うるせー…つか誰だこのやろー眠り妨げやがって!!   伏せていた上半身を机から起こし、目を開けると夕陽はビルの間に沈み、僅かに光を残す程度になっていた。裏庭から鈴虫のうるさい声…。   「ん?俺フルーツオレなんて飲んだっけ?」     自分の唇からほのかに甘い匂いがした。 ん?いやいやいや…俺はイチゴオレ派だからそりゃーないない!!しかも金欠で最近は口にすらしていない!!   ま…まさか…   奪われた?     うっそ!!誰!!てか気づけよ俺ーっ!! そしてここは男子校なんですが!? え?え!?…あ!!あの漫画でよくある女の子が男に変装してーとかじゃね?    …ってそんなのあるかい!!   あぁもうなんか冷や汗。手まで汗ばんできたよ…  気を取り直して勉強なんて今日は無理無理!! もう帰ろう!!そしてイチゴオレ飲もう!! どこの誰かわからんが…この高校なのは確かだが。 絶対許さねー…!! ファーストキスなのにー……。     イライラする気持ちを手に込めて、俺は勢いよく教室のドアを閉めた。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

773人が本棚に入れています
本棚に追加