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「…い………おい!!弘弥(ひろや)!!起きろ!!」
んー…?
誰だ?まだ朝…にしても早いだろー?
「……誰?つか何時?」
「普通声でわかんねーか?ダチの登史(とし)だっつの。悪いが仕事行くために出てきたおばさんに了承得てお前の部屋へ入れさせてもらった。」
「おかん?…なら今朝六時位だろ?もうちょい寝かせろ。俺寝たのさっきなんだよ…」
「…もう7時35分だが?」
……7時………?
「えっ!?マジッ!?」
「いや。嘘。」
「…は?」
なんだよそれ!!あーもう勢いよく飛び起きたせいで頭が痛い。
「なぁ登史。朝早くにそんな嘘とはタチ悪くねーか?」
「…俺は彼女との途中まで通学デートを断って今ここにいる。何故かわかるか?」
彼女?あぁ。そういや登史彼女とかいたなぁ~いいなぁ~彼女。キスとかしてんだなー……………キス…………
そーいや昨日…………
「なぁ登史。お前フルーツオレとか好き?」
「は?俺は飲み物に関しては甘いものは嫌いだけど。…じゃなくて、今日こんな早くにお前の家に来たのは勉強教えるためなんだよ!!さっさと用意しろ。学校行くぞ!!」
だよなぁ…登史なわけはないよなぁ。彼女いるし。普段無糖の珈琲かお茶しか飲まないもんな。
「登史。赤点だらけの俺のテストが50点以上になったら俺お前に…飯おごるわ。」
俺は着替えながら、後ろでテレビを見ている登史に向かって呟いた。が、返事無し…無視かよ!!
登史がやたら急かしたせいか早く用意も済み、いつもより一時間ほど早く家を出る。登史と…つかダチとの登校なんて半年ぶり位か?俺の家で夜遊びした日以来か…
まぁ理由は簡単で、俺の家が皆と逆方向なだけ。つまり登史はわざわざ俺を迎えに来たって事かー。…彼女との登校をやめてまでとは俺どんだけヤバいんだか。
でも登史の事だからほぼ毎日彼女と登校してんだろうけど。
「弘弥、飯は赤点脱出したらじゃなくて普通は教えてもらったらおごるもんだろ?」
「…さっきの話聞いてたならその時に返事しやがれ!!つーか俺は頼んでない。昨日はやる気満々だったんだよ。夜通し勉強する予定ではいたんだ。」
「ふーん。じゃあさっきまで寝ていたお前はなんだ?」
「や、ちょっと心労が…」
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