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『一生の想い出できました!
あいつも天国で見て楽しんでくれたと思います。
ありがとうございました!』
健治に別れを告げライヴ会場を後にした。
電車を乗り継いで、地元に着き街頭がぽつぽつとある暗い夜道を
『今何してるの~?僕は歌ってるよ♪…』
今日ライヴで聞いた音楽を口ずさみながら
『今日は楽しかったな!
…やっぱ健治はデカイ男やったな!
愛花が惚れるだけの事は有るわ!
ほんまなら生で健治に会わしてやりたかったんやけど、ごめんな。
健治との、この出会いは愛花からのサプライズプレゼントって俺は知ってるで。
「以心伝心」
俺等にはやっぱこの言葉が似合うな!
ありがとうな。』
この日、健治と巡り会えた事。
それは小説を書いていなければ実現しなかっただろう。
沢山泣いて、沢山凹んで、誰かを少しでも助ける為に自分がしてやれる全ての事を後先考えず行動して走ってきた。
さっきまで悩んで泣いてた子達に「ありがとう」と言われるとそれだけで満足だった。
それが自分が信じた道であり、天国で見ていてくれるあいつとの約束でもあった。
そしてこの日の出来事は愛花が俺に
「真、よく頑張ってるな!
うちはそんな真をいつまでもずっと見てるで!」
と笑顔で見守り、これがあいつなりの恩返しなんだと
そして俺の歩んでいる「道」が間違ってないんだと背中を押してくれたんだと思う。
頭上に輝く綺麗な星達を見上げながら
そのどれかに愛花が居てる気がして、心で問い掛けていた。
完
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