第一章 出会い

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    「んじゃ、夜は危ないし二人で帰ろっか!」       芽生のその一言にあたしは頷いた。     静かな夜の空気に、二人の小さな会話が響く。     あたしはアパートで一人暮らしをしている。   今そのアパートが見えてきた。       「あ、あたしここやから」       あたしはバイバイを言おうとした。   そんな時だった。       「あれ?そーなん?うちもここやねんけど!」       まさかまさかの同じアパート。     そう言えば大家さんが「新しい人くるから」って言っていた。     新しい人って芽生だったんだ……。       「んなら一緒に学校行こや!」       芽生は嬉しそうな笑みを見せながら言った。       「そうやなぁ!そうしよっ」       あたしは笑顔で大きく頷いた。     芽生は一階の右端、あたしは二階の中央の辺りの部屋だ。     アパートの入り口で別れて、自分たちの部屋に入った。       .
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