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殆どの欠片が集まりあと1個でもはまれば星の形になるであろう欠片を少年は独りお婆さんの家の近くの草原で見詰めていた。
『この欠片が揃ったら僕は…』
そこへ、たまたま通り掛かった少年の友達になった男の子が話し掛けて来た。
『把嗚!貴殿!』
その男の子はお婆さんを助けた時から仲良くなったガアラだった。少年はガアラに軽く手を挙げ挨拶をした。ガアラは少年が何処か暗いのを気に掛け肩を叩いた。
『ヒカル!?暗心!?』
『ガアラ…僕はいったい何者なのかな?僕はこの欠片が揃ったら…この世界から居なくなるのかな?ガアラやミンナとさよならしなくちゃいけないのかな?僕はそんなの望んでないのに…初めは確かに独りぼっちで寂しくて欠片を必死に探してた。だけど今は、今はミンナが居る…ミハクが居るこの世界から消えるのは嫌なんだ…怖いんだ!』
少年の言葉が理解できないガアラにも少年が何かに怯え震えているのは理解できた。ガアラは紙と鉛筆を指差し、少年の頭を軽くクシャクシャと撫でて笑った。
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