手紙

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 ケンカして、彼と口を聞かなかった事もあった。  仲直りの手紙はいつもわたしから書いて送ったの。  ケンカしても彼が大好きだった。  口を聞かなくても彼の姿を見るだけで良かった。  寂しくて泣いて。  仲直りしたくて…。  『ごめんね。』  たったそれだけの手紙を彼の家のポストに入れた。  初めて好きになった人だったから。  高校を卒業する時、彼から切り出された外国へ行くという話。  涙が流れ落ちて。  あなたを困らせたね。  だって、急に外国に行って夢を叶えてくるなんて、初めて聞いたことだったから。  動揺してあなたを責めて、行って欲しくなかったから、目の前で泣きじゃくって。  それでも別れの日は来てしまった。  卒業式。  あの場所で約束をして、あなたを送った。  『絶対に夢亜の隣りに帰ってくるから。夢を叶えて大きく成長したら、絶対に夢亜を迎えに帰ってくるから。』  あなたからの絶対の約束。  その約束は今でもわたしの胸の中で、あの日の記憶と共に待ってる。
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