#1 十年後

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「ど、どうしたんだよ? 神無ちゃん?」 俺は少女にそう問いかける。と、 「どうしたじゃありませんよっ」 怒られた。 な…なんで? 「どんな夢を見ていたかは知らないが、うなされてたぞ。お前」 野郎が少女の代わりを買って出て答える。 「うなされてた?」 「はい。私が起こしに来たら、何やらうわ言を言いながらうなされていました」 ああ、なるほど。 寝てたのか、俺。 自分が寝ていた事に全く気付かなかった。 ――って事は、あれは夢だったのか。 なんだか久し振りに見たな。あの夢……。 「洋大さん?」 「…あっ? なんだ?」 「いえ、なんだか深刻そうな顔をしていたので…」 おっと。 昔の事を思い出して、ついつい性に合わない顔をしちまった。
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