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「…よ……さ…」
なんだ?
誰かが呼んでる?
てかなんでこんなに真っ暗なんだよ。
「……大…さ…」
ゆ、揺れてる?
地震か?
俺はそこでやっと、自分が目蓋を閉じている事に気付く。
なんだよ。
暗いのは自分のせいかよ。
俺はゆっくりと目蓋を開けた。
最初、強烈な光が網膜を刺激して、また閉じかけたが、すぐに慣れる。
天井の木目が見えた。
寝転んでる?
俺はそれだけを認識する。
なんだか頭がボーッとして、脳が働かない。
「起きろッ」
そんな一言が鼓膜を震わすと同時、右脇腹にかなりの衝撃と、激痛が走る。
よって、俺は奇妙な声を上げ、右脇腹を押さえて、伸ばしていたであろう身体を縮めて悶えた。
蹴られた…。
しかも、いつもより強めに……。
激痛が堪えきれるほどに治まってきたのと同時に、上半身を起こした。
視界の隅に捉えた、蹴ってきた野郎を睨む。
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