845人が本棚に入れています
本棚に追加
/509ページ
「なんでもねえよ。心配すんな」
「はあ…」
「おい、洋大。昼寝するのは構わないが、昼メシはどうするんだ?」
「ああ? 昼メシ?」
「そうでした」
俺が野郎を見上げると、少女がパン、と手を打ち鳴らす。
「洋大さん。お昼どうします? 一応用意はしてますけど…」
少女に言われて、居間から食欲をそそるイイ香りが漂っている事に、俺の嗅覚が気付いた。
目を向ければ、居間の長卓の上に、カレーの盛られた皿が三つ、適当な距離を空けて置かれている。
「食べますか?」
「せっかく用意してくれたんだ。もちろん食べるよ」
「わかりました。なら、冷めない内に食べましょう」
「わかった」
少女と野郎が先に居間へと入り、俺は立ち上がる。
それから、空を見上げた。
最初のコメントを投稿しよう!