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「依頼?」
俺はライターをそのままに、神無ちゃんに質問を投げる。
神無ちゃんは「はい」と頷いて話を続けた。
「山に入ると偏頭痛に襲われる。悪霊の仕業かも知れない。と」
「つまり、依頼の内容はお祓い、ってわけか?」
俺の確認に、神無ちゃんは「はい」と再度頷く。
「大次、頑張れよ」
俺は、止めた火を煙草の先端に着けて、点火したのを見計らって火を消す。
それから空に向けて、紫煙を吹き出した。
「何言ってんだ。お前も行くんだよ」
呆れの混じった声が俺の背中に投げられる。
「俺、パス」
「洋大さん。西の山は広すぎます。大次さん一人では分が悪すぎますよ」
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