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「どうせ家にいても何もしないんだ。一緒に来い」
「やなこった。昨日は充分こき使われたんだ。今日ぐらい休ませろ」
「それは、お前が一昨日の仕事をサボったからだろ?」
「うっ……」
痛いところを突かれた。
言葉が詰まる。
「――逃げの口実はもうないな? 行くぞ、洋大」
今の大次には、先程のような柔らかさはない。堅い感じだ。
これが仕事の時の表情。
「おい洋大」
俺が黙していると、大次が苛立ったように俺を呼ぶ。
「――あーあーわかったよ。行けばイイんだろ行けば」
半ばヤケクソで立ち上がる。
「頑張って下さい。お二人とも」
俺と大次は、神無ちゃんの笑顔に見送られて、居間から出ていく。
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