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あの可愛い顔で華奢な体格をしている神無ちゃんだが、獣の姿――『本性』に戻った神無ちゃんは、変化した姿の面影は跡形もなく消え去る。
全身を土色の硬い毛に覆われ、大きく太い尻尾を生やし、しなやかさとたくましさを兼ね備えた四肢の先には鋭い爪が生えて、突き出た口にはこれまた鋭い牙がずらりと並ぶ。顔からは幼い可愛いさが消え失せ、代わりにイケメン芸能人顔負けの凛々しさが漂う。
一緒に仕事をこなした事はよくあったが、あの姿を見ると、可愛らしい神無ちゃんとは到底信じられない。――今現在でも。
一見、狼と思われたが、本人によると、山犬という、歴とした犬だそうだ。
巨体とも言える体躯からして、大型犬――それも土佐犬と同等、もしくはそれ以上――に分類出来るだろう。
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