#2 再会(前編)

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「特徴とかないのか? 外見や、服装でもイイから」 む。 こいつにしては珍しく、探す気満々じゃねえか。 「おいおい。十年も前だぜ? 変わってるに決まってるって」 「面影が残ってる可能性も充分考慮してるんだけどな?」 「……う~ん」 いきなり特徴と言われても、何せ十年前の記憶だ。漠然としか覚えていない。 「――まあ、紺色の着物に、淡いピンク色の帯を締めてたな」 「野生に棲む妖族は、着物を好むからな。それで?」 「これぐらいしか覚えてねえよ」 「……なんだ。服装だけじゃ、探そうにも探せないじゃないか」 大次は不平を言う。 「仕様がないだろ。十年前の事なんだからよ」と、一応言い訳はしておいた。 まあ、本当は九本の尾という決定的な特徴があるのだが、陰陽師としての意志が強い大次には黙っておく。
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