846人が本棚に入れています
本棚に追加
/509ページ
「……ねえ。また今度遊ぼうよ。その時はウチに連れてってあげるから」
少年は少女にそう告げる。
すると、少女は視線を跳ね上げた。
「ほんとうっ?」
その目には嬉しさという名の輝きが満ちている。
元気を取り戻した少女の様子に、少年も嬉しそうな顔になり、
「うん、ほんとうだよ。おじいちゃんに頼んであげる!」
少年はにっこり笑顔で少女に言う。
少女は尚も少年に詰め寄り、
「ほんとうのほんとうだよっ」
念を押す。
少年は目の前に迫った少女の顔に怯んで、身体を反らす。そして何度も頷いた。
少女が小指を立てた手を少年に差し出す。
「なら指切りっ」
少年は少女の立てた小指をまじまじと見て、
「わ、わかったよ…」
それに自分の小指を絡めた。
最初のコメントを投稿しよう!