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「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲~ますっ。指切ったっ」」
二人は約束の呪文を唱え、歌い終えると同時に、互いに絡めた小指を外す。
少女は純粋な、にこやかな笑顔で少年の後ろ――森の中を指差した。
「あっちに行けば、人が使う道に出れるよ」
少年は晴天のように晴れ晴れした顔で少女の指した方へと首を向け、再び少女に目線を戻す。
「ありがとっ。また今度遊ぼうね」
少年は少女に別れを告げ、背中を向けて森へと駆け出す。
「待って」
背中を少女に呼び止められ、少年は振り向く。
――と、
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