あれから8年…

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今もまだ… 由奈の部屋はそのままだ… 時々、母が由奈の部屋で思い出の詰まった写真を眺めている‥ 僕達の事は知らせていない。 由奈が身体をはって、俺の事… 俺の将来を守ってくれたのだから。 俺の気持ちもあの時から止まったまま… あの後、仁美と和也は大学へ。 何度か顔を合わせた事があったが、お互いに話し掛ける事はなかった。 佳代さんとも会った。 俺は佳代さんに殴られ…泣き縋られた‥ どうして避妊しなかったのか。 どうして一緒にいてやれなかったのか。 どうして止められなかったのかと… その後、佳代さんに女の子が産まれ、【由奈】の1文字を取って 【由衣】と名付けてくれた。 俺が幸せに出来なかった分、私が幸せにすると睨みつけた佳代さんの 顔が今でも忘れられない‥ 俺の過ち。 償っても償っても消える事のない過ち‥。 一生を掛けて由奈に償って生きていくと心に決めた‥ その後… 2年浪人して大学へ行った。 大学も無事卒業して… 決まった就職先が東京だから… 俺は今、荷物を片付けている… タンスに飾ってある、色褪せる事のない、 笑顔の由奈の写真を見つめ涙が止めどなく流れ落ちる。 俺も由奈から卒業しなきゃな… と呟いた…
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