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「由奈行くよ。」
育が自転車に乗り手持ちぶさげに言う。
『まっ…待ってよぉ』
私は靴を履きながら、ガチャガチャと鍵を締める。
車庫から私の自転車を引っ張り出す。
いつも一番に家に帰る私の自転車はいつの間にか奥に追いやられるのだった。
「行くよ」
私が自転車にまたいだのを確認すると育は走り出した。
半年前に痴漢に追いかけられ、その日から育は一緒に行ってくれるようになった。
帰りは別なんだけどね…
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