第二話 再会と戦闘

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「巫女にも種類があります。神や自然に舞いを捧げる神舞と、鈴鐘などを用いて術を行使する“舞巫女”。 神舞や鈴鐘の術法を使わず、神や天使に祈りを捧げて力を借りる神聖魔術や治癒術を得意とする“聖巫女”。 戦士としての修行を受け、気功術に長けた“守護聖女”とも呼ばれる“戦巫女”。 私はこの3種の巫女の力を合わせ持ち、五行を行使します。」 「ごぎょう?」 なんだそりゃ?と首を傾げるフォルテに苦笑して頭の中で整理する。 「簡単に言えば自然のことです。木(もく)火(か)土(ど)金(こん)水(すい)の5つの属性があり、木は風、火と土、水はその名の通り。金は金属。」 「光の中で出し入れしてた武器は?」 「あれは五行を行使するための媒介で、自然に働きかけて具現させているんです。」 ほう…とわかっているやら、わかっていないのやら声を漏らす面々。ネスティやギブソン、ミモザなんかはわかっていそうだが、他は怪しい。マグナとリューグなんか絶対わかっていないだろう。さっきからずっと顔をしかめている。 「要するに、君は自然を操れるというわけだね?」 「そんでもって回復も戦いもできるってかァ?」 ギブソンとバルレルに頷くと、バルレルに「反則だな、テメェ…」とか呆れ顔で言われた。 「で?結局テメェは前衛と後衛のどっちなんだよ。」 慣れない単語の連発にうんざり気味のリューグが、とりあえずコレだけ聞かせろという顔と声で聞いてきた。聞きたいと言ったのは貴方(たち)でしょうに。 「………臨機応変に、でしょうか…?」 いやいや、聞いてんのはオレらだって。 疑問形で答えたら複数のツッコミをちょうだいした。 「だが、それが妥当だ。サクヤには状況に応じて前衛と後衛を切り替えてもらおう。 術にはどんな種類がある?」 「攻撃に防御に結界に治療、御祓いです。」 「本当になんでもアリなんですね…」 苦笑しながら言われた言葉にこちらも苦笑。 そう、昔からなんでもできた。力があった。故に―――― 「マグナったら、ずいぶんと頼もしいコを召喚したのねぇ……」 思考の海に沈みかけていた朔夜の意識は、感嘆するミモザの声で浮上する。 「いやぁ、自分でも信じられなくて……」 「心配しなくてもまぐれだ。」
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