124人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
皆さまおはようございます、朔夜です。今朝も主殿を起こす事に失敗し、アメルさんと一緒に朝食を作っています。
「おい。」
「はい?」
名前を呼ばれていないのでアメルさんと一緒に振り返ると、鍛練に向かうのか、斧を担いだリューグさんがいました。
「テメェ、ちょっと付き合え。」
「………はい?」
アメルに朝食任せた朔夜は、リューグに連れられて人気のない再開発区に来ていた。現在2人は向かい合って立っている。
「もう一度お聞きしますが………本当に私でよろしいのですか?」
ロッカさんやフォルテさんがいるでしょうに。
「………相手するなら強ぇヤツの方がいいんだよ。それに、テメェが言ったんじゃねぇか。」
‐‐黒の騎士に挑みたければ、せめて私に勝てるようになってください‐‐
「だったらテメェを相手に鍛練した方が早く実現できんだろ。」
ふいっと視線を逸らしながら答える。リューグが付き合えと言ったのは早朝鍛練。
なぜ自分を選んだのかと思えば、原因は自分の言葉だった。
それにしても、リューグの強さに向かって真っ直ぐ突き進む姿は微笑ましいと思う。まだ、足りないモノがあるけれど……
「仕方ありませんね……お付き合い致しましょう。」
「はっ!そうこなくちゃな!」
リューグはニヤリと笑って鋭い目になる。苦笑を返して、朔夜は組み手の構えを取った。
「では、まずは組み手から始めましょうか。体もほぐさなければいけませんし…」
最初のコメントを投稿しよう!