第三話 朝の出来事

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皆さまおはようございます、朔夜です。今朝も主殿を起こす事に失敗し、アメルさんと一緒に朝食を作っています。 「おい。」 「はい?」 名前を呼ばれていないのでアメルさんと一緒に振り返ると、鍛練に向かうのか、斧を担いだリューグさんがいました。 「テメェ、ちょっと付き合え。」 「………はい?」 アメルに朝食任せた朔夜は、リューグに連れられて人気のない再開発区に来ていた。現在2人は向かい合って立っている。 「もう一度お聞きしますが………本当に私でよろしいのですか?」 ロッカさんやフォルテさんがいるでしょうに。 「………相手するなら強ぇヤツの方がいいんだよ。それに、テメェが言ったんじゃねぇか。」 ‐‐黒の騎士に挑みたければ、せめて私に勝てるようになってください‐‐ 「だったらテメェを相手に鍛練した方が早く実現できんだろ。」 ふいっと視線を逸らしながら答える。リューグが付き合えと言ったのは早朝鍛練。 なぜ自分を選んだのかと思えば、原因は自分の言葉だった。 それにしても、リューグの強さに向かって真っ直ぐ突き進む姿は微笑ましいと思う。まだ、足りないモノがあるけれど…… 「仕方ありませんね……お付き合い致しましょう。」 「はっ!そうこなくちゃな!」 リューグはニヤリと笑って鋭い目になる。苦笑を返して、朔夜は組み手の構えを取った。 「では、まずは組み手から始めましょうか。体もほぐさなければいけませんし…」
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