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レルム組に続いてマグナも呼び捨てを促す。バルレルの声は無視。それを聞いた朔夜が、困ったように笑う。
「みなさん……一応お尋ねしますが、私をいくつだと?」
みんなが顔を合わせて、朔夜を見る。
「20歳?」
「僕と同じで19くらいか?」
「22くらいでもおかしくないわよねぇ?」
上からマグナ、ネスティ、ミモザ。それに他の仲間たちも頷き、朔夜の表情が沈んだ。
「これでも16、なんですが…」
間。
「はあああぁぁぁあ!?」
大絶叫の大合唱。耳が痛い。
「じゅ、16って俺より2つも年下!?」
「あたしより1つ下……」
「僕はてっきり年上だと……」
「俺は年下の女に負けたのか……」
「16の割には落ち着き払ってて……」
「人生悟りきってるみたいよねぇ……」
「テメェはびっくり箱かよ。」
マグナを始めとする面々が口々に漏らし、朔夜は溜め息を吐いて明後日を見る。バルレルは相変わらず失礼だ。
「16にしちゃ出るとこはバッチリ出ててスタイル抜ぐぼばあっちぃ―――っ!??」
「アンタは黙ってなさい。」
「あぁすみません、お茶を淹れようとしたら手元が狂ってしまって。」
要らんとこに驚いたフォルテをケイナはいつもの裏拳で、黒い笑顔のロッカはティーポットの底で殴った。アレを“手元が狂った”で済ませるとは……
――ロッカに対する認識を改める必要があるかもしれない。
そう思ったのは朔夜だけではないだろう。冷や汗をダラダラ流している数名がいて、冷静に振る舞っている者も皆顔が強張っているのだから。
「要するに……」
パンパン!と柏手を打って、静まり返った空気を霧散させるようにミモザが笑う。
「16には見えないってことよね!」
「改めて言わないでいただけますか?」
唯一のコンプレックスをズバリ言われて即座に切り返す。全くもって要らんまとめだ。
そんなこんなで「まぁ年はさておき癖なら“さん”付け敬語も仕方ない」ということで、その場はお開きとなった。
「……そんなに、老けて見えるのでしょうか?」
頬に手を添えて溜め息を吐くその姿が余計に大人っぽさを引き出していることに気付かぬまま、朔夜は食堂を後にした。
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