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浴衣は距離の離れたリルに聞こえるように大きな声で叫ぶ。
「俺、次リルちゃんにコクる時はマジなときだから。今日のは、リルちゃんを試しただけなんだ、ごめんね。リルちゃんが好きなのは本当だけど、マジとは違うからさぁ。
リルちゃん、マジになった俺を期待しててよ」
浴衣はそう言ってニッと笑う。
リルは固まって、ただ浴衣を見ていた。
桑が隣で「え!?コクった!?マジになった時!?なにそれ!!」と叫んで、リルと浴衣を交互に見る。
浴衣はその場を駆け出して、リルに手を振った。桑もリルに手を振って、すぐ彼の後を追う。
「ちょ浴衣!!お前どういうことだよ!!」
「どうもこうも、そういうこと」
二人は走りながら言い合う。
浴衣は顔をにやけさせ走るが、鼻がむずむずしてきて、大きなくしゃみをした。
そのあとまだ寒い海へと入った4人が風邪を引いたということは、言うまでもない。
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