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リルは奈々と肩を並べて歩いていた。
前から来た二人の男子がリルを二度見して、彼女たちの横を過ぎてからも振り返ってリルを見ていた。
奈々はふぁーと大口を開けて欠伸をする。
「奈々、女の子がそんなに大口を開けて欠伸をしてはダメよ」
リルはニコニコと笑いながら言った。
「何よ、リル。にこにこして。楽しそうじゃない」
奈々が言う。
「うふふ。嬉しいの」
リルは手を口許に当てて笑う。
「…あいつらのことかよ」奈々はちょっとすねたように言うが、刺はなかった。
奈々も気に入ってるのね。
リルはクスクスと笑う。
奈々はリルを見た。リルは整った顔を緩ませて笑っている。
「普通はあんなことできないよね。なんだかお姫様にでもなった気分だったわ」
「そんな悠長なこと言って。リルはただの美人じゃないんだから、気を付けてよね!」
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