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「はぁ…」
少年の口からため息が漏れた。
「あの商人に騙されたか?」
この愚痴ってる少年は髪は澄んだ青色をしていて目の色も髪と同じ澄んだ青色だ。歳はまだ17、8という所だろう。見る人によっては女の子に見える位端正な顔立ちをしている。背中には剣を背負っていた。彼は文句を口にしながら歩いていた。
「日暮れまでに目的の村に着けばいいが…、ん?」
彼は何か聞こえた気がして耳をすました。次の瞬間、バン!という炸裂音が聞こえた。
(この音は魔術だな…追手か?いやまさかな、一応調べてみるか)
彼は音がした方へ走った。
(あれか!)
そこで彼が見たのは黒髪の女の子と教団服を来た3人の男達だった。男達は武器を持って女の子に近づいて行った。
「我が教団のために死んでもらう、覚悟はいいな?」
と、真ん中の男が一歩前に出た。女の子は足がすくんでいるのか動けないようだ。
(ちっ、面倒な物を見たな…だが無視するわけにもいかないか)
と彼は背中から剣を抜いた。真ん中の男は武器を振り下ろした。女の子は目を閉じた。その直後、ギィン!と金属同士がぶつかりあう音がした。女の子は恐る恐る目を開けるとそこには青髪の少年が自分の目の前に立っていた。
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