過去2‐初の戦闘‐

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意気揚々と右手を眼前に持っていき、集中を始める。 脩平のイメージするのは、黄色く輝く雷の玉。 全ての属性を扱える脩平は、今のところ扱う属性をいくつかに絞っている。 一度に沢山の属性を極めようとしても、本末転倒になってしまうのがオチだからだ。 「ふんぬぅぅ……」 「何で呻くのよ?」 脩平の横で玉を創るのを開始している亜紀は、ツッコミを入れるのが癖と化している。 すると、早速脩平の掌に変化が起きる。 パチパチと形容できるような音を上げ、掌に雷が少しずつ飛ぶ。 ゆっくりと球形を模していく雷は、脩平の掌に突如として――弾けた。 「きゃああっ!?」 「ヤバい!まとまんねぇ!」 いびつな玉だったものが、脩平の掌の上でスパークする。 魔力の供給が少なかったためすぐに収まったのだが、脩平は唖然としていた。
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