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誰かは言わざるとも分かると思うが、無の属性を持つ槌谷である。
属性が無ということは、魔法を創る上でのイメージがないと言うこと。
それには槌谷も気付いていたが、ダメ元で一度試すことにした。
「イメージイメージ……透明な玉?イメージしずらいですね」
隣では、赤崎が火の玉を創っている最中で、少しの範囲の気温が上がっているようで、赤崎の額には汗が。
それでも何とか玉を形にし、槌谷に見せようと横を向いてみると。
「悠……魔法やってる?」
「やっぱり出来ないですね……」
槌谷の掌には、案の定玉は出来ずに虚しく構えられたまま。
魔力自体は纏まってはいるようだが、“魔法”にはなっていない。
「大体分かってはいましたけど……悲しいなぁ」
「まぁあの本が読めればなんか分かるだろ?」
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