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お気に入りのマライアを聴きながら、ハーブ・ティーを飲んでみる。今はこうして一人、貴方のことを想ってみる。
私の誕生日には決まって薔薇の花束をくれた。きっと最後まで優しい人なのだろう。
昨夜の電話は貴方からだと判ったけれど、私にはもう貴方と話すことはない。
眠れぬ夜に、マライアは優しく包んでくれる。窓から星を数えては、貴方との思い出を一つずつ消していく。
出会った頃は、こんな日が来るとは思わなかったけれど、若かったからなのだろう。
「もう済んだことよ。」
多分貴方は疲れていたのよ。心の拠り所を私に求めただけなのだと思う。
ハーブ・ティーが冷めていく。星が流れていく。マライアの曲が振り出しに戻る。
「同じ時間を重ねただけ…」
貴方が幻へ変わる。きっと私も貴方の幻に変わるのだろう。
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