第7章

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「…」 知りたいと言われて素直に喜んでいいのか迷ってしまって何も言えなかった。 知りたいと言われて、はい分かりましたと言ったところで何も始まらない。 祐樹は私の何を知ってる? どこまで知ってる? きっと何も知らない。 私が今まで苦しんでた事も、准という存在の事も、私が今どうしたいのかも。 言い返せばそれは、私が祐樹の事を何も知らない事になる。 今まで何をしてきたのか、どんな恋をしてたのか、今何を考えてるのか。 可笑しいかもしれないけど、ふと敦の事を思い出した。 私の事を何でも知って理解してくれようとする敦を。 「ハル?」 長い間いろんな事を考えていると祐樹が心配そうに私の顔を覗き込んだ。 「わっ!ごめん!」 あんまり祐樹の顔が近いから驚いてしまった。 「何考えてたの?…やっぱり俺がハルの事知りたいとか嫌だよね。俺、准さんにそっくりだし」 祐樹の顔が曇った。
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