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なにを……行ってるんだ、彼は
『なんでそんなこと……』
君に話さなきゃならないんだ
僕が修架くんをどう思っていようと、君には関係ないのに
愁「陽さんはシュウ兄を愛しているから毎月墓参りするんですよね。シュウ兄を忘れたくないからその指輪を手放さないんですよね。…………シュウ兄だけを愛しているから他の人を愛そうとしないんですよね……」
愁斗くんの瞳が悲しげに揺れる
なんで彼はこんなにも辛そうなんだろうか
なんで彼はこんなにも悲しそうなんだろうか
なんで、泣いているんだろうか
『愁斗…くん……?』
愁「すいません……。今の全部、忘れてください」
『え……』
愁「本当にすいませんでした。帰ろう、結城」
結「ああ」
早々と帰る準備を始める二人に、僕はなにも言えなかった
愁斗くん……
結「シュー。なんであんなこと言ったんだよ」
愁「別に…。ただ、あれでわかった。陽さんはシュウ兄しか愛さない。シュウ兄しか受け入れない。他のモノに興味なんてこれっぽっちも持ってくれない、一途な人だ」
結「死者相手じゃ勝ち目ゼロってことか」
愁「違う。陽さんが忘れられないくらい、シュウ兄はいい男だったんだよ」
(ヨウさん、シューに揺れてたのは俺の見間違いだったのかな)
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