一章 窓の無い洋館

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気がついたら僕は知らない館の中で倒れていた。 少年はゆったりと起き上がり周りを見るが全く見知らぬ館にいた。 「…ここはどこ?」 館の中だというのに窓が一枚もなく薄暗い廊下が続いている。 「…レイナ?…ミレイ?」 ここに来るまで一緒にいた仲間の名前を恐る恐る呼ぶが返事はない。 「…先に進しかない」 窓があれば景色が見え何階にいるか分かるがこの館は窓がない為,自分が何階のどの辺りにいるか全く分からない状態である。 しばらく歩いているとドアを見つけ恐る恐る中ん覗く。 中は高級感を感じさせる家具類が置かれている。少年は部屋の中に入り中の様子を見ていると寝息のような物音がカーテン付きの豪華なベッドから聞こえてきたので,恐る恐るベッドに近づく。 近くで見るとベッドに一匹の狼が仰向けに気持ちよさそうに寝息を立てていた。 (えっ…狼!!?もしかして赤●きんちゃんを食べた後!!?) 変な冷や汗をかきながら立っているとベッドの上で寝ている狼が寝返りをする音を,狼が起きたと勘違いし,少年は慌ててドアの後ろに隠れる。  
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