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私はあの日以来、いつも朝礼ぎりぎりに来て、
終礼が終わるとすぐ教室を出た。
そうすれば先生がいるから暴力などは避けれると思った…。
でも私の考えは甘かった。
朝…
いつも通りおそく家出て学校に着くと、
校門には真樹とその他真樹の仲間が私を待っていた。
「……何?」
「金」
「――え?」
「明日…金1万持ってこいや」
「な…なんで……!?」
「お前が先公にチクったのが悪ぃんだろ!!」
「私はチクってないってば!!!」
「うるせぇんだよ!!
とにかく持ってこないとどうなるか知らねぇからな!!」
私はその言葉で抵抗するのをやめる。
「い、いくらだっけ……?」
「1万円」
「明日まではムリ……ッ、もうちょっと待って!!」
「―…わかった。1か月待つから金ためてこいや!!」
「うん…」
このときはすごくいやだったが、
この会話がゆいの人生を大きく変えるきっかけになっていたのだ。
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