初めての友達

2/29
72人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
私はあの日以来、いつも朝礼ぎりぎりに来て、 終礼が終わるとすぐ教室を出た。 そうすれば先生がいるから暴力などは避けれると思った…。 でも私の考えは甘かった。 朝… いつも通りおそく家出て学校に着くと、 校門には真樹とその他真樹の仲間が私を待っていた。 「……何?」 「金」 「――え?」 「明日…金1万持ってこいや」 「な…なんで……!?」 「お前が先公にチクったのが悪ぃんだろ!!」 「私はチクってないってば!!!」 「うるせぇんだよ!! とにかく持ってこないとどうなるか知らねぇからな!!」 私はその言葉で抵抗するのをやめる。 「い、いくらだっけ……?」 「1万円」 「明日まではムリ……ッ、もうちょっと待って!!」 「―…わかった。1か月待つから金ためてこいや!!」 「うん…」 このときはすごくいやだったが、 この会話がゆいの人生を大きく変えるきっかけになっていたのだ。    
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!