訪れた悲劇

8/16
前へ
/335ページ
次へ
「こちらへどうぞ」  先程と変わらず微笑を浮かべた盛岡は、廊下の一番奥にある部屋の扉を開けた。 盛岡に促されるままに四人が部屋の中へと入ると、客間、または別の用途として使われている部屋なのだろうか。 部屋の中央に置かれた長方形のテーブルを挟むように、高級とは言い難い二つのソファーが視界に入った。 園児達を入れる部屋という感じはしない。  壁際に寄せて幾つも配置されている棚の中には、様々な本や分厚いファイルが並べられている。  部屋の中には別の部屋へと通じる扉があり、そこから現れた盛岡の手に人数分のコーヒーカップが乗ったトレイが持たれている。 「どうぞ」 「すみません。ありがとうございます」  盛岡がテーブルの上にコーヒーカップを並べ置き、四人は盛岡に軽く会釈をしてソファーへと腰を降ろした。
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2698人が本棚に入れています
本棚に追加