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「じゃあー、この問題、小狼君解いてくれるかなー?」
教科書片手に教壇に立っているのは、ファイ。
指名された小狼が黒板へと向かう。
何でこんな事になったのか。
それは、数日前にさかのぼる。
~school days~
「次の世界に到着~っ☆」
ぼてぼてと地面に重なるように落ちた皆に、モコナが楽しそうに告げた。
「うーん、今回の世界はどんなとこかなー?」
「人の姿が見えませんね」
「皆、あの建物の中に居るんでしょうか…?」
さくらが指差した先を見ると、すぐそこに白く大きな建物があった。
「姫のお城ほどではありませんが、大きいですね」
「……お前ら…」
何処からか、地を這うような声が聞こえてきた。
視線を下げると、大きな黒い物体が、怒りでふるふると震えている。
「いつまでも俺の上に乗ってんじゃねえーーーーーッッ!!!!!」
勢い良く起き上がった黒い物体…もとい、黒鋼は、皆を転げ落とした。
「あははー、黒様そんなトコにいたのー?どこにいっちゃったのかと思ったよぅー」
笑顔で言うファイだが、実は分かっていただろう、と思うほど楽しそうだ。
いや、ファイの事だ、実際気付いていたに違いない。
「そういえば、真綾さんの姿が見えませんが…」
「ほんとだねぇ。そろそろじゃないかな?」
言い終わるが早いか、目の前に突然光が現れた。
それは徐々に大きく、輝きを増していく。
「ほらねー?」
やがて光が収まると、そこには一人の少女が立っていた。
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