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「真綾、遅いのー」
「仕方ないでしょ、モコナ。追いかけるの大変なんだから」
到着するなり文句を言うもコナに言い返す。
唯一モコナの力を借りずに次元を移動する真綾。
ランダムに飛ぶ彼らとはぐれずにいるだけでも褒めてほしいものだ。
「…それより、俺達注目の的ですよ」
小狼の視線を追った先には、建物の中からこちらを見る沢山の人々。
ほとんどの窓から人が溢れかえりそうだ。
「こ、こんなに人が居たんですね…」
「けっ。見せモンじゃねーぞ!!」
「黒様こわーい」
そんなやりとりをしていると、中から数人の男が出てきた。
小走りにこちらへ駆け寄ってくる。
「何だね、君たちは!どこの学校の者だ!?」
「がっこうー?」
ファイが可愛らしく首を傾げる。
「おかしな身なりをしているし…何をしに来た?」
「ああ゛?お前らこそなんなん…」
真綾は、今にも売られてもいない喧嘩を買いそうな黒鋼を制した。
真綾にはこの景色に見覚えがあった。
と言っても、似たような、というだけで、全く同じものではないが。
「突然校内に立ち入ってしまい、申し訳ありません。私達は今旅をしておりまして、先ほどこの国に来たばかりなんです。」
「旅…?では、まだどこの学校にも所属していないと…?」
「え?ええ…」
「…ようこそ、我が校へ!!ささ、こちらへどうぞ!!」
「は?あ、あの、ちょっと…!?」
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