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しかし、それには少々問題があった。
「…けどさ、私とさくらと小狼はいいよ、学校入ったって生徒だもん。
だけど、ファイと黒鋼は…先生なんて出来るの?」
性格は違えど、共に我が道を進む二人。
彼らが教壇に立っている姿を思い浮かべてみるが、ちょっと違和感を感じる。
「あー、確かに黒りんが子供に勉強教えるトコなんて想像つかないねぇー」
「テメー人の事言えんのかよ!!」
「で、でもファイさんって子供に好かれそうですよねっ」
「そうかなー?」
小狼がフォローを入れる。
だが、どちらかというと、子供と言うより女の子にモテそうだ。
…そう考え、面白くない、と真綾は思う。
「…言っとくが、俺は“キョーシ”なんてモンにはならねーからな。ガキの面倒なんてみてられっか」
「いつも小狼君の相手してるじゃないー?」
「そりゃ剣の稽古つけてやってるだけだ!!」
「ほお、剣道か何かをやっていらっしゃるんですか?でしたら、体育教師がいいでしょう。
身体つきもいいですし、きっと向いていらっしゃいますよ!」
どうやら黒鋼の教科は決定したらしい。
本人の意思は無視で。
…まぁ確かに、それ以外に出来るものはなさそうだ。「ファイさんはどうするんですか?」
「うーん、どうしようかなぁ。オレ魔法くらいしか取りえないしー」
「そんなことないですよ、お料理や絵も上手じゃないですか」
その魔法も今は使えないしねー、と言うファイに、今度はさくらがフォローする。
「…魔法?」
しかし、教頭と学年主任だという男たちが訝しげな表情をする。
ここは魔法非認証国らしい。
「あー、気にしないで下さい」
「はぁ…。……あのー…、では、そちらは…?」
彼らが示した先には、白くてふわふわ、不思議生物モコナがいた。
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