100人が本棚に入れています
本棚に追加
「…まーやちゃーん?オレの授業、聞いてくれてるかなぁー?」
この国に来たときの事を思い出していた真綾の目の前に、いつの間にかファイが立っていた。
「サクラちゃんは相変わらず寝てるしー。
オレの授業ってそんなにつまらないー?先生悲しいよぅー」
めそめそと泣き真似をするファイ。
「きゃーっ、ファイ先生泣かないでー」
「私、先生の授業好きですっ」
「私もっ!」
「何よ、私の方がもっと好きなんだからっ!」
…好きなのは授業じゃなくてファイだろう。
やはり最初に真綾が考えた通り、ファイ先生はモテモテのようだ。
女生徒達による騒ぎはおさまりそうにない。
「皆ありがとーvじゃあ、授業続けるから皆席についてねぇー」
いつものへにゃんとした笑顔で告げると、生徒達は大人しく自分の席へと戻っていく。
「てことでぇー、真綾ちゃん、この化学反応式を書いてくれるかなぁー?」
「…わかりました、ファイせんせい」
結局、化学教師になったファイ。
魔法と化学は、実は深く関わっている。
それに器用なファイの事だ、実験なんかも問題ないだろう。
「…これでいいですか?」
「すごいねぇー、正解だよー」
“ファイ先生”がぱちぱちと手を叩いている。
(…何か、変な感じだ。)
こうやって席について授業を受けていると、旅を始める前の生活に戻ったかのように感じる。
だけど、授業をしているのは、次元を超えた後で出逢ったファイ。
クラスメイトに、さくらと小狼もいるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!