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少女のその瞳の奥には強い悲しみ、生への願望が光っていた。
少年にはない、強い生きたいと願う光が。
少女と目が合ったのは一瞬、すぐに門の向こうへ消えてしまった。だが少年の頭を壊すにはその時間で充分だった。
この世の真実を、汚い汚泥のような部分を見た少年の衝撃は半端な物ではなかった。
少女が、少年の前で消えていった、助けてと言い残し。涙を流し。
少女の瞳に見た悲しみ、怒り、絶望、願望、その全てが少年の脳へ、ストレートに入ってきた、頭が…痛くなる。割れそうな痛みが駆け巡る。
「…!ぁぁぁあ!!」
拳を地面へ叩きつける、まだ足りない、側にあった壁を蹴りつける。まだ頭の痛みは消えない
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
誰か……
この世界を壊してくれ…
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