Act1 これが俺の日常

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「ん、ん~…ダリぃ」 重たい目をこすりながらなまりきった体をもぞもぞと動かす。それから上体だけ起こしてベットの上から机に置いてる鏡に目をやる。 真っ黒な髪はところどころ飛び跳ね、母親譲りの少し茶色を帯びた瞳は未だまどろんでいる。う~ん、眠い。 次にゆっくりと伸びをして腰をずらして床に足を下ろそうとした時、ふとある物が目に入る。 「あっ、やべ!」 俺の部屋にある唯一の時計を見る。現在、時計の針は時刻7時40分をさしている。そして俺が通う学校まで徒歩20分……つまり、完璧な寝坊だ。 「間に合うかっての!」 制服に着替えながら独りでツッコミをかます。端から見ればかなり痛い子かもしれない。そうでなくてもどうかと思うが。 しかし俺の生活上、癖となっている為どうしようも無い訳だ。その訳は……取りあえず学校に着けば分かるだろう。
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