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「開いた………あっ!た、たのも~」
慎二の言葉を信じていなかったので、かなり驚いてしまって「たのも~」が遅れてしまった。
「なんたるトラップ!この私がしてやられるなんて!」
「まあ、あの扉はパッと見スライド式に見えないもんな」
「あんたに慰められても嬉しくない」
「可愛くねぇの」
「可愛いわよ!」
「あのな、そういう事は自分で言うことじゃないぞ」
「じゃあ、あんたが言いなさい」
「遠慮します」
二人は校長室に入った。
校長室は教室の半分ぐらいの大きさで左側にトロフィーなどが飾ってある大きな棚があり、右側には校内で金賞をとった絵などが額縁に入れて飾ってあった。
そして、正面には教卓を2つ並べたような大きさの机があり、その向こうに座り心地の良さそうなフカフカの回転式の椅子が1つ、その向こうは窓になっていて昼の日差しが少し眩しい。
窓の外はグランドで生徒の声が微かに聞こえる。
椅子は窓の方を向いていた。
「校長!部の申請に来ましたです!」
「小町、日本語変だぞ」
「そう?じゃあ、申請に来たでありますです!」
「語尾にですを付けるのやめろ」
「むぅ~」
小町は唸りながら頬を膨らませた。
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