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その時だった。
窓の方を向いていた椅子がゆっくりと右回りし始めた。
そこには一人の老人が座っていた。
それは校長だった。
年齢は80歳前後、頭はうすく白髪が残っている。
性別は男で信じられないほどのスピードで振動している。
もといプルプル震えている。
「……あの~、大丈夫ですか?」
「…ふぁい?」
「いや、凄い震えていたので」
「大丈夫じゃよ」
と言いつつも校長の振動数はすでに1秒間に10回の領域に達していそうだ。
「考えれる可能性は1つだけね」
小町が小声で慎二に耳打ちする。
「なんだ?」
「あの振動は普通じゃない。つまり、悪霊にとり憑かれているのよ!」
「……相変わらず突拍子のない発言だが、今回は当たってそうな予感がする」
「徐霊は私の十八番なのよ!任せなさい!」
「お前に任せたら校長に魔王が乗り移りそうだから任せられん」
「なによ!ただ臀部を粉砕するだけよ」
「たった今、止めないといけない理由が増えたな」
慎二と小町がもめている中、校長はプルプルしていた。
ところが、
「で、何か用事かな?」
「「!!!!」」
突然、さっき校長がいた辺りから若い男の声が聞こえてきた。
二人は椅子の方に目をやると椅子には20歳前後に見えるほど若いスーツ姿の男が座っていた。
もちろん、震えていない。
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