ダストチルドレン~2~

3/22
前へ
/148ページ
次へ
「いつも追い払ってるだけだ。3日くらい前にもゴミ箱の奴等が仲間を連れて行こうとしてたから、腕折ってやった」 男の子は、少し胸を張り口元を緩めた。 「ねぇ龍二君、ゴミ箱に雇われてる人ってこわもての人ばかりじゃなかった?子供にやられるとは思えないんだけど」 芹沢さんは男の子に聞こえないギリギリの声で僕に耳打ちした。 たしかに子供が太刀打ち出来るとは考えにくい。 「凄いな…一体どんなマジックを使ったんだ?」 僕がそういうと男の子はさらに胸を張った。 「俺に出来ないことなんてないからなっ」 いまいち答えになってなくて反応に困ったが、愛想笑いして誤魔化した。 「おい、俺にじゃなくて俺達にだろ?圭吾はいつも一人でカッコつけたがるよな」 背後からの声に身の毛が逆立った。 僕は慌てて振り返る。 芹沢さんも僕より一瞬遅れて振り返った。 振り返ったそこにはメガネを掛けた男の子と、凛々しい顔をした金髪の男の子がいた。 「ゴミ箱の奴等じゃないんだろ?だったら何もしないよ。話しの内容にもよるけどね」 ニコニコしながらガレキに腰掛けた金髪の方の少年が、まるで僕らの考えなど読めているような感じで言ってのけた。 「どうせろくでもない話しなんだろうけどね」 メガネの子がそう呟く。 さっき背後から突然声をかけたのはどうやら彼みたいだ。 少し捻くれた感じの様子が、金髪の子とは正反対だ。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加