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「シン!大地!怪しい奴が来たら油断させてやっちまうって作戦じゃなかったのかよ!」
最初に喋った…たしか圭吾と呼ばれていた少年が突然現れた二人に怒鳴った。
「兄ちゃん落ち着いて!シンちゃんどうにかして!」
その横で妹(おそらく)が圭吾の服を押さえながら、金髪の子に向かって叫んだ。
「圭吾、この二人はゴミ箱の奴等じゃないと思うよ。そう思ったから俺も大地も出て来たんだ。まぁそいつらがゴミ箱と関係ないとは言い切れないけど」
どうやら金髪の子がシンで、メガネの子が大地らしい。
「え~っと…とりあえず話しを聞いてくれるのかな?」
続々と現れる子供たちに芹沢さんが戸惑いながら尋ねた。
「変なことしたらただじゃおかないからな」
斜め下を向いた大地がボソッと呟くのが聞こえた。
「とりあえず暴力とかは嫌いだからお互いよそう。そんなことが目的で来たわけじゃないしね」
波風立てないようにするのが今は、一番いいだろう。
「立ち話もなんだし、とりあえず中に入ろうか」
そう言ってシンが指差した先には、大きな四角い箱があった。
「あれ…なんですか?」
僕の知識の中に『それ』に当てはまるものはなかったので、小声で芹沢さんに問い掛けた。
「わっ、多分『デンシャ』ってやつよ。古い文献で読んだことがあるわ。昔は、あれが移動手段として使われてたのよ」
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