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「悪いな!今ガキ共切らしちまってよ!」
電話に出たしゃがれた声の主がそう言った。
「一人もいないんですか?」
はいそうですかと電話を切れる訳もなく、マニュアル通りに話しをする。
「残念だが1歳から9歳までしか今はストックがねぇんだ。あんたんところは最低でも12歳以上だろ?」
たしかに9歳では少し不安定要素が多過ぎる。
「次の仕入れはいつですか?」
これもマニュアル通り。
「う~む…今回はいつになるか分からねぇな。うちの稼ぎ手が怪我しちまって動けねぇんだ。」
嘘はついてないだろう。
「そうですか…気の毒に…」
こうなると困ってしまう。
これ以上はマニュアルに乗ってないからだ。
「うむ…うちに頼まないでもあんたが直接捕まえたらどうだ?
近くにゴミ処理場があるだろ?
そういう所に奴等は集まるぞ」
電話越しにガハハと下品な笑い声が聞こえてくる。
僕は、礼だけ言ってすぐに電話を切った。
「自分で捕まえる…か…」
僕達は、いつまでこんなことをしなきゃ行けないんだろうか…
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